「遺品整理って、なんだか大変そう」
そう思っている人は多いでしょう。でも実は、大変なのは体力や時間だけではなく、“お金”もかかるということをご存じでしょうか?
「故人の家を片付けるだけなんだから、そこまで費用はかからないでしょ」と思いがちですが、いざ実際に作業に取り掛かると、想像以上にお金がかかって驚く方も少なくありません。
今回は、遺品整理にかかる費用の内訳や、費用を抑えるポイントを詳しく解説していきます。
遺品整理にかかるお金とは?
遺品整理は、「不用品を片付ける」「ゴミを出す」といった単純作業だけで済むわけではありません。遺族が自力でやるにしても、専門業者に頼むにしても、さまざまな費用が発生します。
以下は、主な費用項目です。
1. 遺品整理業者への依頼費用
最も大きな支出になるのが、専門業者への依頼費です。
費用は部屋の広さや遺品の量、回収する不用品の種類などによって変わりますが、以下はおおよその相場です:
- 1K:4万〜8万円
- 1DK:6万〜10万円
- 2DK:10万〜20万円
- 一軒家(3LDK以上):20万〜50万円以上
さらに、以下のような追加料金が発生することもあります:
- 大型家具・家電の処分料
- 特殊清掃(孤独死などの場合)
- 貴重品の捜索作業
- 夜間・休日対応費用
- 作業スタッフの増員による追加人件費
2. 処分費用・ごみの回収費
たとえ業者に頼まず自力で整理した場合でも、大型ゴミの処分には費用がかかります。自治体によっては粗大ゴミの収集に1点数百円~数千円かかる場合も。
また、処分場までの運搬費用やレンタカー代、ガソリン代も地味に出費がかさみます。
3. 不動産整理に関わる諸費用
賃貸物件であれば、原状回復費用やハウスクリーニング代が必要になることがあります。持ち家であっても、売却や解体をする場合は別途大きな費用がかかります。
- 原状回復費:3万〜10万円程度(物件の状態による)
- ハウスクリーニング:1部屋あたり1万〜3万円
- 解体費用:坪単価3万〜5万円程度
費用を抑えるためにできること
■ 自分たちでできる範囲は自力で行う
当然ながら、自力で片付けられるものは自分たちで行えば、その分コストは削減できます。特に衣類や日用品、書類などは業者に頼まずに処理する家庭も多いです。
ただし、時間と労力に余裕があることが前提です。高齢の家族だけで行うのはかなり負担が大きいため、無理は禁物です。
■ 事前に複数業者から見積もりを取る
業者によって価格は大きく異なることがあります。必ず2~3社から相見積もりを取りましょう。価格だけでなく、対応の丁寧さやサービス内容も比較することが大切です。
一括見積もりサイトを使えば、地域に対応した複数の業者を簡単に比較できます。
■ 売れるものはリサイクル・リユースを検討
家具や家電、貴金属など、まだ使用できるものはリサイクルショップに持ち込んだり、フリマアプリで販売するのもひとつの方法です。
また、業者によっては買取サービスを行っている場合もあり、買取額を差し引いた分だけ整理費用が安くなるケースもあります。
「想定外の出費」にならないために
遺品整理にはお金がかかります。特に急な出来事だった場合、心の準備もできていない中で大きな出費がのしかかってくることも。
だからこそ、少しでも負担を減らすために、次のような備えが有効です。
- 生前整理を少しずつ進めておく
- どこに何があるかを家族で共有しておく
- 相続財産の中から整理費用をあてられるように相談しておく
まとめ
遺品整理には思っている以上にお金がかかります。
「物を片付けるだけ」と軽く考えていると、予想外の出費やトラブルに直面する可能性も。
できることなら早めの準備と、正しい知識を持って臨むことが大切です。
そして、無理をしすぎず、必要なときは専門の業者に頼ることも、家族への思いやりの一つかもしれません。
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